2013年5月22日水曜日

配架ボランティア





 今年の5月から、私は西川図書館の「配架ボランティア」に参加しています。図書館はいつも利用するばかり、せいぜいお手伝いといっても「口先だけ」だったので、なにか「体を張った」お手伝いがしたいと思っていました。「植栽ボランティア」はどうも危ない。切ってはいけない枝を切りまくりそう。かつて学校図書館の仕事をしていた私がお役に立てそうなのは、利用者から返された本をもとの棚に戻すという「配架ボランティア」だろう。そう簡単に考えていましたが、朝9時から10時までの1時間、広い西川図書館のあっちこっちの棚に重量のある本を持って歩き回ると、汗びっしょりの重労働です。司書の方たちは毎日これをやってるんですね。大変なことです。
 そうか、これは運動なんだと思い直し、そうであるならパンプスをやめてスニーカーに履き替え、車をやめて徒歩で通うことにしました。歩いてみればわが家からわずか10分強の距離です。私にとって、これまで本を読みだすと椅子から動かなくなるので、「本」=「不健康」のイメージを自分で植えつけていたのですが、「本」が運動になったという経験は初めてでした。まずこれがボランティアを始めたメリット・その1。
 メリットその2は、なんといっても本を戻しながら図書館中の本を目にすることができるということです。白状しますが、私の仕事ぶりは遅くてどうにもなりません。目に留まった本を無視することができないのです。ひどい時には読んでます。すみません。この誘惑に打ち克つにはもう少し修行が必要です。
 ボランティアが終わった後、「目に留まった本」は早速借りて帰ります。私はインターネット愛用者なので、この本が読みたいと思ったら図書館のHPからすぐに予約を入れるという借り方が多く、図書館によく来るわりにはカウンターで受け取ってすぐ帰るような利用をしていました。スーパーで買い物する時も、メモを持って行って必要なものだけ買って帰るような気短かでせわしない人間です。でも、書架を眺めながら「へぇー、こんな本があったんだ!」という感動を、ボランティアを始めてから味わえるようになりました。
 もうひとつのメリットは、ほかの利用者の方々が読まれた本を戻すので、どんな本が読まれているかがなんとなくわかるということです。私は本屋でもないので、これを知ったからといって利点というほどのものではないのですが、図書館をより多くの市民に利用してもらいたいという思いで図書館に関わる活動を続けてきたので、「ああ、こんな本が利用されているのか」というのを知ることは、今後の図書館の在り方を考える上で貴重な材料になっていくようにも思います。
 今のところ、週に1、2回しか通えていませんが、行くと必ず数名のボランティアの方々が来られています。それでも開館までの1時間でワゴンに積まれた本を全部戻し終えることができるのは、たまにしかありません。メリットいっぱいの「配架ボランティア」に、ぜひたくさんの方々が参加してくださることを願います。
(2012年6月記)

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